電気災害の事故例
(厚生労働省資料より)
■配管補修の溶接作業中に感電
被災者は溶接した配管個所に水漏れが見つかったため、補修しようと再度ダクトに上がり、アーク溶接作業を行なった。
そして、溶接作業終了後、ダクトから降りるためアーク溶接用ホルダーおよび電源コードを配管上に置き、いったん地上に下りた。
その後、支持架台に足を掛ながら配管上のホルダーおよび電源コードを取ろうとした際、ホルダーに取り付けてあった溶接棒(交流70V)が被災者の右肘に触れ、感電し、死亡した。
- ●原因
この災害の発生原因としては、次のことがあげられる。
- 1.アーク溶接作業が終了したのに、電源を切っていなかったこと。
- 2.無理な姿勢をとっていたため、溶接棒に接触したこと。
■キャブタイヤコードドラムからの漏電により感電
外壁補修のために設けた鋼製単管足場上で、作業者がハンマードリル(キャブタイヤコードドラムから電源取得)にて壁つなぎのための穴を開けていたが、ブレーカーが作動してしまい使用できなくなってしまった。
そのため、建物内の配電盤の電源スイッチを再度入れたところ、9段目の作業床(高さ14m)でキャブタイヤコードドラム(交流100V)を持っていた別の作業者が、このキャブタイヤコードドラムからの漏電のため感電し、地上に墜落した。
- ●原因
この災害の発生原因としては、次のことがあげられる。
- 1.キャブタイヤコードドラムを接続した電源回路に、漏電しゃ断装置が接続されていなかったこと。
- 2.被災者が安全帯を使用していなかったこと。
- 3.キャブタイヤコードドラムを、使用前に点検しなかったこと。
〔安全くん22号‐6頁〕