バックホウの事故

前号の88号のアンケートにて『昔と比べて安全面・効率性・使いやすさで向上したものは?』とお聞きしたところ、多くの方から「バックホウ」(特にクレーン機能付)が挙がってきました。

しかし、同じく前号で採り上げた平成18年の死亡災害事故の統計の中で、「建設機械・クレーン等の災害」76名中のトップが29名の“パワーショベル等”でした。皆さんが、「安全になり使いやすくなった」とお感じになっているにもかかわらず事故が多いのは何故でしょうか。

最大の理由は、様々な工事で多用されることと、周辺の作業と同時進行あるいは連続して行われ、作業員が近接する状況があるためです。
周辺の作業員は、自分の位置や動きはオペレータが「わかっているはず」と過信して作業範囲内や後方を横切ろうとしているケースが多いのではないでしょうか。

一方、“オペレータは何を注視して作業しているのか”という研究(※注:図参照)を見てみますと、大半が前方のバケット近辺ばかりに注意を払っており、周囲に目を向けている時間が極僅かでしかないことがわかりました。
この結果を見れば、周囲の作業員の方も驚くはず。旋回内立入禁止の措置の重要性、連携作業のルール(グッパー運動等)、そして何より危険なことを認識し、「○○の時は、絶対に□□しない」というように身体にしみこませてほしいものです。

※「建設労務安全」18年8月号「ヒューマンエラーによる災害が起きない現場づくり」
(労働安全衛生総合研究所 中村隆宏氏著)より

〔安全くん89号‐2頁〕