積載型トラッククレーンの安全
〜転倒事故を防止するポイント〜

積載型トラッククレーンの転倒による死亡災害が跡を絶ちません。つり上げ荷重3トン以上の移動式クレーンには過負荷防止装置の取り付けが義務付けられていますが、積載型トラッククレーンの大半がつり上げ荷重3トン未満であり、この規制の対象外であること。さらに日常的によく使用されるのでつい安易に扱っている、という点がミスを起こし易い要因と考えられます。
そこで、日本クレーン協会のホームページに掲載されています「安全のすすめ」より、転倒事故防止策について抜粋しご紹介します。

■転倒事故を防止するポイント

①アウトリガーは最大に張り出す。
やむを得ず最小張出または中間張出で作業する場合には、「空車時定格総荷重表」の最小張出の性能で作業すること。張出幅が左右で異なるときは、最小張出の性能で作業する。

②アウトリガーの設置地盤は養生する。
一見して堅そうな地盤でも、内部の状態によっては車体を支える力が不足する場合がある。次のような地盤に対しては十分注意を払い、地盤の養生を行うこと。
(1)簡易舗装の路面、 (2)歩道等の敷石路面、 (3)埋め立て地等

③旋回時には作業領域に注意する。(図参照)
作業領域は旋回中心と転倒支点間距離が旋回方向により大きく異なるため、後方・側方・前方の作業領域で安全度に極端に差がでる。後方は最も安定度が良く、安定度に関係なくウインチ能力一杯の荷物をつり上げることができる。このため、後方で荷物をつり上げ、側方へ旋回するときには安定度の変化に注意しなければならない。

④荷物を降ろすときは車体の安定度に注意する。
車体の安定度は荷台に荷物を積載しているときとしていないときでは大きく異なる。積荷が減るにしたがって安定度は悪くなるので、注意が必要である。
(1)積荷を順番に降ろすときは,作業半径が順次小さくなるように、荷台後方の積荷から降ろす。
(2)後方から側方へ旋回するときは、つり荷が荷台から外へ出たら、万一バランスを崩しても転倒する前につり荷が先に接地する安全な高さまで荷物を降ろしてから旋回する。
(3)後方から側方へ旋回するときは安定度を確認しながらゆっくりと旋回する。

(出典、参考:日本クレーン協会ホームページ“安全のすすめ”より)

〔安全くん113号‐2頁〕