過積載の危険と問題点 〜 安全と環境の面から 〜

車両関係に携わる人だけでなく、業界がかかえる問題としてみんなで意識しなくては“過積載”はなくなりません。
安全・環境面だけでなく運送事業者、乗務員、荷主への行政処分もあります。
「やむを得ず今回だけ・・・」という発想が、後々多くの関係者の“重荷”にならないように。

1.交通事故の要因となる

①制動距離が長くなる
例えば、積載量10tのトラックで時速80キロの走行時の制動距離は約50mですが、4割増の“過積載”の状態では約59m、8割増では約70mとなります。追突の可能性が相当増えることがわかります。

②車両のバランスを崩しやすい
過積載すると一般的に重心が高くなり、バランスを崩しやすくなります。左右の揺れを招き走行が不安定に。

③下り坂はスピードが出やすい
重量に比例して慣性力が増加し、スピードも上がるため、ブレーキへの負担も大。フットブレーキの使いすぎで効かなくなるフェード現象を引き起こすことも。

④衝撃力が増大する
衝突時の衝撃力も重量とスピードに比例します。過積載での衝突は重大な事故を招く恐れがあります。

⑤トレーラー車のジャックナイフ現象
過積載時は、トレーラーが運転席側を押す力が増し、ハンドルを切ったりブレーキを踏んだ時に、「く」の字に曲がるジャックナイフ現象が起こりやすくなり、他の車両を巻き込む事故につながります。

2.交通公害の観点から

①排気ガスによる大気汚染
過積載運転では、低速ギア、高回転走行となるため、排気ガスに含まれる窒素酸化物(NOX)、粒子状物質(PM)などが通常以上に排出され、環境に悪影響を与えます。環境の保全の面からも過積載の防止は急務です。

②騒音や路面・車両への悪影響
同様にエンジン音も大きくなります(近隣対策)。また、タイヤの摩耗を早め車両の寿命も縮めることも。さらに、道路のわだちやひび割れの原因にもなり、道路や橋にも悪影響を与えます。

〔安全くん129号‐2頁〕